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再会、キンレイ・ハウス [ダブリン観光(2000)]

2000年1月18日(火)放課後
キンレイハウス・ホステル、ダブリンクライストチャーチ大聖堂前


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朝起きると英語が全然話せなくなっていた筆者。とてもスクールメイトと話したり、自習したりする気にはなれないので、現実逃避気味にシティセンターに出てきた。旧友が働いているという場所に、何のアポも取らずに行ってみる。大きな施設で大勢のスタッフがいるだろうから、普通これで会えないだろう。だが、わらにもすがる思いだった。

扉の前で立ち止まる。ダブリン国際ユースホステルと同じで、呼び鈴を鳴らして中から鍵を開けてもらうのだ。鍵の開く音がしたので扉を開き、中に入ると、右手に受付があった。そして、彼はそこにいた。

「ピーター!」

彼は電話中だったが、こちらに気付いて、受話器をもったままこちらに目で合図してくれた。去年と同じく愛想のいい笑顔。パソコンのモニターを見つつ、たまにマウスやキーボードをさわりながら電話を続けている。きっと予約の電話なのだろう。去年も、オーストラリアやアイルランドのネイティヴスピーカーと英語でぺらぺら話していてすごいと思ったが、受付までやってしまうとは。やっぱりピーターはすごい! 

「OK, thank you too. See you soon, bye」

そう言ってピーターは電話を切った。そしてカウンターをはさんで再会。

「K! びっくりしたよ! 元気かい?」
「元気だよ! ピーターは?」
「見ての通り忙しいけど元気だよ、…」

言うが早いか玄関の呼び鈴が鳴った。ピーターが奥に目をやって、カウンターの下で手を動かした。扉が開き、宿泊客らしき人々が入って来た。きっと防犯モニターを見てから、解錠スイッチを押したのだ。さっき入った時も、ピーターが開けてくれてたのかと思うとおかしかった。

今チャーチタウンのホストファミリーにいる、と言っても「チャーチタウン」が通じなかった。ダブリンには住宅街というかベッドタウンというか、外国人は普通知り得ないいくつもの郊外があるから仕方ない。ピーターはここから徒歩で通えるところに「フラット」を見つけて住んでいるという。また電話が鳴り始めた。ピーターは「Excuse me」と言って電話に向かった。

「Hello, Kinlay House, this is Pieter speaking. How may I help you? - yes sir, that's right. OK, ok, ...」

さっきも言ってたけど、忙しそうだ。帰ったほうがいいか。そう思って目で合図すると、ピーターは手で待つように合図した。電話が終わるまで待って打ち合わせをした。

「明日、休みなんだ。Kは?」
「学校が終わったら何もないよ。また会おうか。3時でどうかな」
「よし、3時だね。場所はどうしようか」


少し迷ったがどちらにもわかりやすい場所ということで、さっき前を通ってきたトリニティ・カレッジ(大学)の正門の前で待ち合わせすることにした。

ドアを出る時に、ピーターは「See you tomorrow, take care K」と言って笑顔で手を振ってくれた。OK、と笑って親指を立てた。おっ、なんか我ながらそれっぽいぞ、と自分で思いつつ、キンレイ・ハウスから路上に出た。行ってみてよかったなあ、と改めて思った。
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